kochorinの独り言

サラリーマンをリタイアすることに決めました。退職までの経過と、働くということに関して自分が考えたことなどをつぶやきます。

日本の働き方とイノベーション

headlines.yahoo.co.jp


非常に勉強になる良質な記事でした。日本人の働き方に興味がある方は全文読まれることをお勧めします。

『生産性』とは何を指しているのでしょうか。分母は労働者の総労働時間で、分子はあくまでも金銭で評価したアウトプットです。しかし、顧客の満足度をダイレクトに比較するとその実態は変わってきます。公益財団法人日本生産性本部が、日本と米国のサービス産業の品質比較を2017年7月に発表しました。調査対象の28分野の大半で、日本のサービス品質は米国よりも高く、約10~20%上回っています。日本のサービス産業の労働生産性は米国の約6割とされますが、日本の高いサービス品質は価格や生産性に十分反映されていない。同本部は『サービスを可視化して、価格に転嫁すべき』としています。


日本のサービスレベルや品質の高さは、労働力としての日本人の質の高さに起因しています。世界中を見ても、これだけ勤勉で教育レベルも高く、質の高い労働力を平均的に確保できるのは日本くらいだと思います。

ところが、日本は先進国の中でも生産性が最下位レベルとされています。
これは何故でしょうか?

その理由は、日本の経営者は一部を除いて、総じて無能だからです。
これだけ質のいい労働力を活用し、更に人件費も安く押さえ込みながら、それでいて諸外国に比べて圧倒的に低い利益レベルに甘んじている。
これを無能と言わずして何といったらいいでしょうか?

欧米の経営者は経営をやるために必死になって勉強し、その中で選ばれた経営手腕のあるトップクラスの人材のみがプロの経営者として、役員のイスに座れるのです。
日本のように何となくサラリーマンをやっていて、気付いたら経営者になっていたということなどありません。
そもそもの経営者としての見識、覚悟が全く違うのです。

この記事にある通り、高いサービス品質を価格に転嫁できていないという点も、日本の経営者の無能さを表わす1つの事例だと思います。


「社員A、Bの二人がいたとします。この二人が定時に退社するか、サービス残業をするかという選択肢により、どのように満足度が変わるかを考えます。両者が定時に退社すると、互いにハッピーなので双方が満足度2を得ます。これを『ホワイト均衡』と呼びましょう。では両者がサービス残業をするとどうか。双方が望ましくないと考えるのでともに0とします。これを『ブラック均衡』と呼びます」

では、一人が定時に退社し、もう一人がサービス残業をするとどうなるのか。安田氏は「定時退社した人の満足度は、二人とも残業した場合よりさらに低くなる」と語る。一人だけが残業せずに定時に退社すると、「自分だけが仲間から外れる」ことになり、当人が不利益を被ることが多くなる。すると満足度は大きく下がる。

社員Aがサービス残業をして、Bが定時に退社したら、Aの満足度が0、Bが-10。逆に社員Bがサービス残業し、Aが定時に退社したら、Aが-10、Bが0。そうすると一方がサービス残業した場合は、両方がサービス残業をしなかった場合と比べて、全体の満足度は大きく下がることになる。

「個々の社員の力では、このブラック均衡からは抜け出せません。ではどうすればいいかというと、職場全体、企業全体でホワイト均衡を目指す以外にない。ここで問題なのは、ブラック均衡が実に“安定的”だということです。自分一人だけホワイト均衡を目指して行動を変えても損をする。だからこそ、「自分以外も行動を変える」と強く期待できない限り、みんなブラックに留まってしまう。


企業全体でホワイト均衡をめざそうとすれば、トップダウンでやるしかないということを表しています。
それがやれれば極めて生産性の高い組織に生まれ変われるでしょう。
しかし、そのことの重要性と本気の覚悟を持った経営者が日本にどれだけいるかは甚だ疑問です。
みんながやってるから、政府が言うのだから、という程度の認識で働き方改革に取り組もうとする経営者が大半だと思いますが、そんな認識では百害あって一利なし、何の変化もありませんでした、という結果に終わるでしょう。
まあ、そのときにはご自分は役員報酬や退職慰労金をたんまり貰って悠々自適の生活をされているのでしょうが…。

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